サーフィンのジャパンオープン初日が6日、来年の東京オリンピック(五輪)で競技会場となる千葉・一宮町の釣ケ崎海岸で行われ、男子で地元出身の大原洋人(22)が参加者16人中トップの得点で3回戦へ進出した。

小波が目立つ午前の第1組目に登場。ライバルが苦戦する中、勝手知ったるホームで得点を伸ばした。男女各16人で行われる今大会。7日最終日で優勝すれば、東京五輪出場につながるワールドゲームズ(9月・宮崎)の出場権を得られる。

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約2時間後に干潮を迎える午前9時30分。約500メートル幅の海岸には小波が目立った。同組の他3人が競技場所を模索する中、大原は沖に向かって中央右寄りのポイントを迷わず選んだ。小波ではあるがコンスタントに発生する波。大技は決められなかったが、着実に得点を伸ばした。同組1位通過で、2回戦をパスして3回戦へと駒を進めた。「潮は引いていてどの波がいいか分かりにくかったけど何とか乗りこなせた」と振り返った。

地の利を生かした戦略的なサーフィンだった。8歳で地元・一宮町で競技を始めてから14年。自然が相手とはいえ、波のクセは頭の中にあった。「あそこの地形はどのコンディションでも、どの潮の満ち引きでも必ず波が来る場所」。5日まで同会場で行われていた一宮オープン出場も経験値になった。「昨日と今までの海に入ってきた経験を生かして、ここだったら何とかなると思っていた」と胸を張った。最高評価のエクセレントスコア(8点以上)の8・50点を出すなど、合計で全体トップの15・83点。波の状況が悪いながらも、しっかりと乗りこなした。

今大会で優勝すれば日本代表「波乗りJAPAN」に選ばれ、アジア大陸1位になると東京五輪出場の条件を満たすことができるワールドゲームズへの出場が決まる。それだけに「優勝しないといけないという気持ち。この波で勝てた選手がオリンピックで一番勝てる可能性がある」。地元開催の五輪出場へ向けて、まずは7日に勝手知ったる海を制する。【佐々木隆史】

◆大原洋人(おおはら・ひろと)1996年(平8)11月14日、千葉・一宮町出身。8歳からサーフィンを始め、13歳で全日本選手権優勝。17歳で世界プロサーフィン連盟(WSL)のワールドジュニアU20で日本人初の3位入賞。18歳で挑んだ全米オープンで日本人初優勝の快挙を達成。世界最高峰のチャンピオンシップツアー(CT)に次ぐ、クオリファイングシリーズ(QS)で現在8位。162センチ、62キロ。