NBAウィザーズの八村塁(21)が、自己最多30得点を奪った。敵地でのクリッパーズ戦に開幕から18試合連続で先発。チーム最多の38分出場し、30得点、9リバウンド、3アシスト、1スチールを記録した。ダンクシュート2本、3点シュートも2本決め、ここまで出場時間の少なかった第4クオーター(Q)も約7分プレー。ラプターズ在籍時の昨季にファイナルMVPを獲得したカワイ・レナードをディフェンスで止めるなど、攻守にわたる活躍をみせた。

大坂なおみが観客席から見守る中、八村は奮闘し続けた。出場機会が少なかった第4Qも残り7分27秒から出場すると、最後までコートに立つ。自己最長の38分間プレーし、自己最多でチーム最多の30得点。今季の新人選手の1試合での得点でも最多タイとなった。「負けてしまったので何とも言えないが、少しずつチームに溶け込んでいる」。大敗も存在感を放った。

最近は前試合のレーカーズ戦こそ16得点も、20分以上出場しながら1ケタ得点の試合が多かった。得点力の低下は、パスを優先した結果と判断。意識改革し、この日は序盤から積極的にシュートを狙った。開始30秒で3点シュート。第2Q残り6分25秒では、右サイドから空いたスペースを1人で持ち込んでダンク。「前が空いていたら強く行こう」と、攻めの姿勢を得点につなげた。

攻撃だけではない。「テレビでよく見ている」というクリッパーズのエース・レナード相手に、序盤から積極的にマッチアップ。昨季ラプターズを優勝に導き、ファイナルでMVPを獲得した大物相手にも気後れせず、攻めのディフェンスをみせた。「八村はいい選手。基礎ができていて、全てがそろっている。今日のプレーは気に入った」と、レナードにも十分な印象を与えた。

チームは今季2度目の150失点。開幕から6勝12敗とリズムに乗れない。八村は「どうチームを助けられるか。もっとやっていかなければ」と新人ながら主力としての自覚と責任感を吐露。ブルックス監督からは「どんなことがあっても精いっぱいやってくれる。これからも引き続き塁を中心にチームを作り上げていきたい。塁には勝者のDNAがある」と献身的なプレーを感謝された。敗れはしたものの、ドラフト1巡目の力を十二分に見せつけた。