日本テニス協会が、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言発令後、初めて国内での大会開催にかじを切った。19日、常務理事会をオンラインで開催し、10月28日から始まる三菱全日本テニス選手権(東京・有明テニスの森公園)を無観客で、規模を縮小して開催することを決定した。
日本協会の主催大会は、世界ツアーの男子・楽天ジャパンオープン、女子・花キューピッド・ジャパン女子オープンともに中止。ジュニアも全日本ジュニアなども中止に追い込まれたが、初めて開催に踏み切ることになった。同協会全日本テニス選手権委員会の中西伊知郎委員長は「今年95回目を誇る大会の歴史を途切らせたくなかった」と、開催を後押しした理由を述べた。また、「国際大会と違い、選手の海外からの移動がないのは大きい」と、世界ツアーとの違いも強調した。
大会は無観客。種目は、男女シングルス、同ダブルス、混合ダブルスの5種目から、今年は男女シングルスのみの開催で、開催期間は通常の9日間から5日間に短縮。出場選手数は、過去の48人から24もしくは32人に削減する。賞金も「過去シングルス優勝400万円だったが、今年は150万円ほどで調整中」(中西委員長)という。
それでも開催するのは、「国内が経済へ少しずつ方向を転換する中で、今年残された最後の全日本を開催するのは国内統括団体としての責務」(中西委員長)とのことだ。今後の新型コロナの状況次第で、国もしくは東京都よりイベント開催自粛要請が出た場合は、開催を中止する。
また、昨年の同選手権は、東京オリンピック(五輪)のテストイベントとして開催された。来年に延期された五輪テニス競技と同会場で行われるだけに、五輪に向けた感染症対策の意義もある。感染対策としては、ガイドラインにのっとり、感染症制御対策チームを配備。選手やスタッフには、大会前、大会期間中の計2回のPCR検査を義務づけ、その費用は協会が負担する。会場では、移動のためのゾーニングも行われる予定だ。【吉松忠弘】



