21年世界選手権代表の吉田夕梨花(27=ロコ・ソラーレ)、松村雄太(31=コンサドーレ)組の北京五輪の道が途絶えた。1勝2敗と後がない状況で迎えた決定戦第2試合。第1試合に続いて20年日本選手権優勝の松村千秋(28=中部電力)、谷田康真(27=コンサドーレ)組に7-8の接戦で破れ、通算対戦成績が1勝3敗に。先に3勝をしたチームが手にする北京五輪出場枠が懸かる最終予選(12月、オランダ)出場を決められ、五輪の可能性がなくなった。

流れをつかんだに見えた。3-3の同点で迎えた第5エンド。展開が動くことが多いハーフタイム明けで後攻とし、吉田夕の的確なドローショットなどでハウス内にストーンをためた。最終5投目の松村雄を前に、No.1、No.2は確保。速さと曲げ幅でピンポイントな精度が求められる位置に運んで、3点を獲得した。投げる前に「ボーナスだから」と気を楽にさせるような声をかけた吉田夕。2人の呼吸が見事に重なっての得点だった。

ただ、そこから逆襲にあった。続く第6エンドでパワープレーを選択した敵軍に対し、わずかのミスを重ねてハウスの中央にストーンを集められた。最後は4点ショットを決められて逆転を許すと、最終8エンドまで流れを引き戻すことはできなかった。

妹の千秋との「きょうだい対決」に負けた松村雄は「あっちのほうが上手だった。彼らのパフォーマンス良かった。この結果には納得してます。大会前にミックスの楽しさを伝えられればと言いましたが、それが120点くらい表現できた。本当に良い大会だった」、ロコ・ソラーレとの2種目での北京行きがなくなった吉田夕は「本当にレベルの高い混合ダブルスの試合だった。予選からいまの今日のゲームもそうですし、やっている私たちも勉強になり、楽しかった。日本のレベルが上がっている。4人制とは違う面白さが見ている人に伝わればいいな」とうなずいた。

◆カーリング混合ダブルス 男女1人ずつのペアで争う。4人制より2エンド少ない8エンド制で行われ、各エンドにつき1チーム5回ずつストーンを投げ合う。1人目は1、5投目、2人目は2~4投目を担当。両チームがセンターライン上の所定の位置に1つずつストーンを置いた状態から始まる。後攻チームは1試合に1度、ストーンを置く位置を左右いずれかにずらして配置する「パワープレー」を選択可能で、複数点を取るチャンスが拡大する。五輪には前回の平昌大会から採用され、日本は出場権を獲得できなかった。

◆北京五輪への道 今大会の勝者は日本代表として、来年の北京五輪の出場枠が懸かる最終予選(12月5~9日、オランダ・レーワルデン)に出場する。同大会には14チームが参加し、残る2枚の五輪切符獲得を目指す。北京五輪には10チームが出場。5月の世界選手権(スコットランド)で上位だった8カ国がすでに出場権を確保している。その世界選手権に日本からは吉田夕と松村雄のペアが臨み、11位で北京五輪出場切符を逃した。