ショートプログラム(SP)首位の友野一希(23=セントラルスポーツ)が3位に入った。フリー168・38点の合計264・19点を記録。GPシリーズ初優勝には約2点届かなかったが、ハイレベルな争いとなっている22年北京五輪の代表3枠入りへ、表彰台に立って名乗りを上げた。

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思い出の地で、友野が全てを出し切った。緊張感漂う最終滑走。冒頭で4回転-3回転の連続トーループを決めると、4回転サルコーは両足での着氷でこらえた。続く2本目の4回転トーループも成功させたが、演技後半はトリプルアクセル(3回転半)の転倒などミスが目立った。それでも「ラ・ラ・ランド」の曲に乗った表現で観客を魅了し、演技後は笑顔を見せた。

シニア2年目の18年に出場したロシア杯では3位に入り、優勝した羽生結弦(ANA)と同じ表彰台に立った。羽生はフリー前の公式練習で右足首を負傷。それでもフリーを滑りきった姿を見て「(すごさは)言葉に表せない。技術はもちろんですが、強い選手。メンタル面も何から何まで圧倒的で、強いからこそ、あれだけの演技ができる。会場の雰囲気もがらっと変わるので、いい経験になりました」と目を輝かせた。

あれから3年。1月の冬季国体後には、はっきりと「来シーズンは五輪に向けて突き進む。それを目標に頑張ってきた」と言い切った。春に同志社大を卒業し、スケートに集中する環境で迎えた今季。次の大舞台は12月の全日本選手権(さいたまスーパーアリーナ)だ。羽生結弦、宇野昌磨、鍵山優真、佐藤駿…。多くのライバルと争う3枚の切符を、自信を持ってつかみにいく。