花火が打ち上がるなど派手な演出の開幕戦で、トヨタヴェルブリッツのSH滑川剛人(32)が主審を務めた。以前から選手と審判という“二刀流”をこなしてきた。

この日は前半10分にNTTドコモレッドハリケーンズ大阪(大阪)側のインゴールノックオンともみられた左隅のトライの場面で、相手側に危険なタックルがあったとして認定トライを与えた。さらに同39分には直前に反則があったとして、大阪側のトライを取り消すなど的確な笛を吹いた。

「W杯で笛を吹くのが、自分にとってのゴール。現実的には今後、選手で出るのは多分、無理だと思います」

平日はトヨタの選手として練習をこなしつつ、公式戦では審判を務める。ただ、今季は選手としての比重よりも、23年W杯を見据えて審判の方に軸足を置く考えだという。そのために、昨秋にはフランスリーグに派遣され、経験を積んだ。

この日はトヨタと同じB組に入る試合の主審という大役を担った。公平性に疑問符がつく可能性もあるのを理解した上で、滑川は「笛を吹くことをOKしてくださった両チームに感謝しています」と語った。