東京オリンピック(五輪)57キロ級の銅メダリスト芳田司(26=コマツ)の冒険は3回戦で幕を閉じた。初めて出場した無差別級の日本一決定戦でベスト16の成績を残した。
2勝して迎えた3回戦で高橋瑠璃(山梨学院大4年)と対決。体重は自身の「たぶん今は62キロぐらい」に対し、相手の登録は103キロ。41キロの差がありながらゴールデンスコア(GS)まで突入する熱戦を演じ、最後は8分38秒、大外刈りで有効を奪われた。
「今までは負傷のリスクなども考え、出ない選択をしていました。東京五輪の後、心境が変わって挑戦してみたいなと。けがする可能性があっても。実際、試合に出られて楽しかった。この大会で勝たないと、という大会ではないし、普段も同じ階級の選手とばかり練習しているので。気付きがありました。いい経験になったと思います」
初戦の1回戦では63キロの高橋瑛美(仙台大2年)と対戦。1階級上を相手に開始1分15秒、小内刈りで技ありを奪って勝った。
続く2回戦では2階級上の鈴木胡桃(環太平洋大3年)と。70キロと組み合い、序盤は指導2つを取られてリードされたが、諦めることなくゴールデンスコア(GS)に入って攻勢を強める。10分31秒、思い切って跳び込んだ内股で2つ目の指導を取って並ぶと、12分56秒で再び内股。攻められなくなっていた相手に3つ目の指導が出て反則勝ちした。
試合中、待てが掛かると両膝に手をつくほど、想像以上に消耗しているように見えたが「体力あるので大丈夫です」と笑顔。「初戦は少し重いくらいで、いつも通り私らしく初戦は緊張しちゃったんですけど、やりたいことはできていた。2回戦は結構きつかったんですけど、気持ちを出せた」と盛り返した。
試合前「攻めまくりたい」と宣言していた通りの展開で2勝を挙げ、場内を沸かせた。最後は4階級プラスアルファの体格差があっても、果敢に内股や大外刈り、担ぎ技を仕掛けた。
「今日はシンプルな思考でいけた。最近、小っちゃく小っちゃくなってたんですけど、思い切って技には入れたかなと。(高校時代の)金鷲旗を思い出しました」
2大会連続の出場と、より良い色のメダルを目指す24年パリ五輪に向けて、長身の舟久保遥香(23=三井住友海上)らがライバルとなる自階級へ、大きな学びとなった。「(舟久保を)ずっと意識してるんですけど、その意味でも、今日は意識して戦えたかなと思います」。試合後、すがすがしい表情で言い切った。
「また挑戦したいなと思ってます」
【木下淳】


