優勝と昇格への道のりは蔵王から-。Vリーグ2部(V2)アランマーレ山形が26日、山形・蔵王坊平アスリートヴィレッジでの強化合宿を公開した。創部の15年から実施してきた「恒例行事」に、今季から主将を務める木村友里(26)らが参加。今季の目標に掲げた“超々攻撃型バレー”を目指し、トレーニングに打ち込んだ。合宿は今日28日まで行われる。

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宮城と山形の県境にある体育館には熱気がこもっていた。この日は、どんな状況でもスパイクを打てるのは決められた1人だけという「アイアンマン」といったメニューを消化。疲労困憊(こんぱい)となった終盤は気力で跳び上がり、ボールをたたき込んだ。在籍5年目の木村は「この合宿の醍醐味(だいごみ)。アイアンマンをする本人はきついですけど、その人をどれだけ周りが鼓舞できるか、助けられるかも重要」と強調した。

昨季掲げた「超攻撃型」から、さらにパワーアップを目指す。北原勉監督(41)は「(昨季は)ディフェンスのウイークポイントを超えるくらいの攻撃力があった。さらなる超々攻撃型のチームを目指す」と力を込めた。新戦力がその一翼を担う。2月10日にカノア福岡から移籍した小野山博子(23)は175センチの高さを生かした攻守が武器。指揮官は「手足が長くて、ブロックはチームでも1、2番を争う力を持っている。身体能力を生かした攻撃で、超々攻撃型に貢献してほしい」と期待した。

何度も勝利の喜びを-。小野山は3月のファイナルステージ群馬銀行戦の劇的勝利を鮮明に覚えている。「お世話になっている先輩方が喜ぶ姿がうれしかった」。新加入から約3カ月がたち、徐々に責任感も芽生えてきた。「1点でも多く点数を取る。チームが勝たないと意味がないので責任と自覚を持って自分ができることを100%出し切りたい」と気合を入れた。

チームの土台を固める蔵王合宿。木村は「全然嫌なイメージはない。一番追い込める合宿だからきついですけど、よりこの後に成長できるかなと思う」。チームは7月、埼玉で行われる今季初の公式戦、サマーリーグに参戦。昨季3位の位置から悲願の「V2優勝&V1昇格」に向けて突き進む。【相沢孔志】