一富士“二鷹(たか)ちゃん”三なすび-。昨夏のバスケットボール男子W杯日本代表で、48年ぶりとなる自力での五輪切符獲得に貢献したホーキンソン・ジョシュ(28=SR渋谷)が、24年をさらなる飛躍の年とする初夢を描いた。W杯での活躍で「鷹ちゃん」のニックネームとともに、知名度は大きくアップした。現在はBリーグのシーズン真っ最中。所属するSR渋谷を勝利に導き、パリ五輪へ弾みをつける。

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富士山となすびを模したアイテムを手渡されると、ホーキンソンはにっこり笑った。「なるほど、そういうことね」。

来日7年目。日本のさまざまな文化を吸収してきた。自身の名前(Hawkinson)に「ホーク(Hawk)」の文字が含まれることから、日本名は「鷹大(たかひろ)」。チームメートやファンからは「タカちゃん」の愛称で親しまれる。その一字が入っているからなのか。縁起の良い初夢とされる「一富士二鷹(たか)三なすび」という日本人になじみのあるフレーズの意味は、あらためて説明を受けなくても十分理解していた。

国籍変更、移籍、そしてW杯出場-。23年は、ホーキンソンにとって忘れられない1年となった。

「劇的にいろいろなことが起こった年で、自分を取り巻く環境が大きく変化しました。日本国籍を取得してまだ10カ月程度なんですが、もう何年も前のような気持ちです」

昨夏のW杯では、フィンランドなどから3勝を挙げ、パリ五輪出場権を獲得。優勝したドイツとも対戦し、世界の力を体感した。

「世界トップレベルの選手たちともやりあえるんだと感じたことは、大きな自信になりました。そのことは今、Bリーグでプレーしている中でも生きています」

今季からSR渋谷でプレー。自身も含めて新戦力が多いチームは、開幕ダッシュこそ決められなかったが、実戦を重ねる中で歯車がかみ合ってきた。

「新しい選手がたくさん入ってきた中で、チームづくりにはどうしても時間がかかってしまう。しっかり時間をかけて、1日1日を大切にして成長していくことが大事。明るい未来を期待したいです」

夏には大舞台、パリ五輪が控える。

「W杯には32チームが出場できたけれど、五輪は12チーム。出場国はまだ全て決まっていないし、どのチームと対戦することになるかは分からないけれど、再び日本代表に選んでもらえれば、僕にとって素晴らしい経験になる」

24年にバスケ以外で頑張りたいのは、日本語のさらなる上達。すでに通訳を介さなくてもコミュニケーションは取れるが、もっと自分の意思を伝えられるようになりたいという。

「テキストをもう1冊買って勉強しようか、それとも別の方法でやろうか、いろいろ考えているところ。最終的には日本語をペラペラになりたいという目標があります」

アスリートとして、そして日本人として-。鷹はパリの大空へと羽ばたく。【奥岡幹浩】

 

◆ホーキンソン・ジョシュ 1995年6月23日、米ワシントン州シアトル生まれ。16歳まで野球とバスケの二刀流。野球では高校生で150キロ台の速球を投げる豪腕投手だった。右肘を痛めた影響でバスケ一本に専念し、17年に当時B2のFE名古屋に加入。B1信州を経て23年6月にSR渋谷に移籍。同2月に日本国籍を取得し、同8月のW杯では日本代表として活躍。ポジションはセンター、パワーフォワード、208センチ、104キロ。

 

◆パリ五輪バスケットボール競技

5人制は男女ともに12チームが出場。7月27日から8月11日まで実施され、1次リーグはリールのスタッド・ピエール・モーロワ、決勝トーナメントはパリのベルシー・アリーナで行われる。男子は開催国のフランスに加え日本、米国、ドイツ、オーストラリア、セルビア、カナダ、南スーダンが出場権を得ており、残りの4枠は7月の世界最終予選で決定。女子は、日本はまだ出場権を獲得しておらず、2月にハンガリーで行われる世界最終予選に臨む。

 

◆23年W杯 日本代表VTR

優勝したドイツと1次リーグ初戦で対し、61-81で黒星スタート。しかし続くフィンランド戦は最大18点差をひっくり返し、98-88でW杯17年ぶりの白星。東京五輪銅のオーストラリアに89-109で敗れ順位決定リーグに回ると、ベネズエラに86-77、カボベルデに80-71で勝利。パリ五輪切符獲得条件のアジア勢最上位が確定し自力では48年ぶりの五輪切符をつかんだ。最終順位は19位。ホーキンソンは出場選手中、2点シュート成功率(73・5%)1位、平均リバウンド(10・8)と貢献度を示すエフィシェンシー(28・6)はともに2位、平均得点(21・0)7位と、さまざまな項目で上位に入った。