柔道のロンドン五輪女子78キロ超級で銀メダルを獲得した杉本美香(28=コマツ)が14日、東京・赤坂のコマツ本社で会見し、現役を引退することを発表した。出場資格を持つ来年4月の全日本女子選手権も辞退する。

 「本日をもちまして、現役を引退させていただきます。今後はコマツ柔道部を通じて、柔道の楽しさを子どもたちに広めたい。人を思いやる気持ち、感謝の気持ちを教えたい」と、すがすがしい表情で話した。

 目標だった五輪を終えて「やりきった気持ちになった」という。両膝の前十字靱帯(じんたい)を断裂するなど、数多くのケガと付き合い、乗り越えてきた柔道人生だった。「体には『今まで頑張ってくれて、ありがとう』と言いたい」と、自身の肉体に感謝していた。

 杉本は10年東京世界選手権で78キロ超級と無差別級の2冠に輝くなど、重量級のエースとして君臨してきた。