<バレーボール:全日本高校選手権:雄物川2-0南砺福野>◇6日◇男子2回戦◇東京体育館

 雄物川(秋田)が南砺福野(富山)に2セットとも25-12の圧勝で、3回戦進出を決めた。

 雄物川がエンジン全開だ。試合開始から身長201センチの大型ルーキー鈴木祐貴(1年)のサーブの間に、いきなり7連続得点。チームは勢いづいた。鈴木祐は長身を生かしたスパイク、ブロックはもちろん、レシーブでも好プレーをみせ、緊張ぎみだった初戦とは見違える動きのよさをみせた。

 鈴木祐だけではない。攻守の要の川村悠希主将(3年)以下、メンバー全員が好プレーを発揮。宇佐美義和監督(62)は「相手のミスに助けられた」と手綱は緩めないが「初戦に比べて余裕があった。本来のうちらしい展開になってきた」と表情は明るい。

 20年東京五輪の星ともいわれる鈴木祐を擁し、雄物川の前評判は高い。マスコミ陣も押し寄せる。この日の朝の練習時に、宇佐美監督は戒めた。「おごり高ぶるな。素直さ、ひたむきさを失ってはいけない。その上でしっかり対応しなさい」。コート上で選手はひたむきに、のびのびと実力を発揮した。

 3回戦の相手は強豪の東洋(東京)。宇佐美監督は「うちの選手は中学時代、全国で勝っていない。実績のない彼らが必死になって力をつけ、ここまで来た。今日の試合は忘れて、取り組んでほしい」。川村は「声を出し、相手にのまれないよう戦う」と必勝を誓った。【北村宏平】