<卓球:世界選手権>◇30日◇男子シングルス2回戦◇横浜アリーナ

 世界ランク101位の松平健が金星を挙げた。同12位で、05年世界選手権銅メダルの呉尚垠に見事な逆転勝ちを収めた。最後は呉のフォアのドライブがネット。松平健は「戦術に気をつけて、思い切ってやるだけだった」と、ガッツポーズで跳びはねた。

 逆転のきっかけは、後がなくなったゲームカウント2-3から出た、青森山田高の吉田総監督のひと言。「フォアを狙え」。呉のフォアが苦手だと冷静に分析。その弱点を徹底的に攻めた。「得点につながっていくことで、自信にもなった」。松平健もフォアを改良中で、打ち合いに不安があったが、186センチの呉に打ち負けなかった。

 青森山田中入学後の最初の合宿で、同級生が目標に「日本一」を口にしたが、松平健だけは「世界を目指す」と宣言した。その言葉を、証明するチャンスが巡ってきた。