俳優金田明夫(58)が演劇集団円公演「ワーニャ伯父さん」(7月19~28日、東京・東京芸術劇場シアターウエスト)でチェーホフ作品に初主演する。チェーホフ4大戯曲の1つ。1880年代のロシアの農村を舞台に懸命に生きる人々の生活や希望、絶望を描く。

 金田にとって29歳で出演した「プラトーノフ」以来2回目のチェーホフ作品で主人公ワーニャを演じる。「以前はチェーホフの面白さを実感として分からなかったけれど、年を重ねて責任などを負うようになり、ワーニャの苦しみ、悩みが分かるようになった。いいタイミングかな」。最近は「マクベス」「オセロ」などシェークスピア作品に主演していた。「チェーホフには恐怖心もあった。パンドラの箱を開けた感じ」。

 演出は内藤裕子氏が手掛け、共演は高林由紀子、吉見一豊ら。「少数精鋭のすてきなバトルを見てほしい。目標を失った人、生き方が下手な人など、登場人物に同じような人を見るかも知れない。元気をもらって帰ってくれたらうれしいです」と話す。