【バルセロナ(スペイン)14日=塩畑大輔、山本孔一通信員】オラも人気者?

 エスパニョールMF中村俊輔(31)が、サポーターから「俊ちゃん」の愛称を贈られた。スペイン国内でも人気の日本発アニメ「クレヨンしんちゃん」になぞらえたもの。13日(日本時間14日未明)のクラブ初練習では、スタンドからさっそく「SHUN

 CHAN」コールが起きた。14日の新ユニホーム発表会には、早くも主役モデルとして登場するなど、注目度は日に日に増している。

 中村がスペインで、サポーターからまさかの「ちゃん」づけだ。エスパニョール加入後、クラブ練習場で迎えた初めての練習。ピッチに登場した中村に、1000人近いサポーターから、さっそく応援コールが送られた。「シンチャン、エス・デ・エスパニョール!(オレたちのしんちゃん)シュンチャン、エス・デ・エスパニョール!(オレたちの俊ちゃん)」。

 日本人にも耳にすっと入ってくる、日本の人気アニメの登場人物名にかけた、オリジナルの応援ソング。実はスペイン人サポーターなりの、日本人に対する愛情表現だった。サポーターの1人は「シンチャンも人気者だからね。スペインで知られている日本人と言えば、オリベル(アニメ『キャプテン翼』の主人公大空翼)かシンチャンだよ」と熱っぽく話した。

 「クレヨンしんちゃん」は、00年に「SHIN

 CHAN」としてバルセロナ周辺でテレビ放送が始まると人気が爆発。バスク地方、バレンシア、マドリード、アンダルシアと、瞬く間にスペイン全土に放送地域が広まったという。03年には映画化もされ、同時期には、番組内で多用される下ネタを子供がまねすることが問題視され「母親が子供に見せたくない番組」の調査で1位になった。カタルーニャ議会ではスペイン国民党が「『SHIN

 CHAN』の放送時間を、子供が見にくい時間帯に変えるべき」と提案した。「シンチャン」は、それぐらい影響力のある愛称だ。

 もちろん、練習熱心でストイックな点で、中村は「しんちゃん」とは大きく違う。スペイン国内での知名度をさらに高め、「母親が子供に見せたい選手ナンバーワン」と呼ばれる日が来るかもしれない。

 [2009年7月15日8時13分

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