青学大が往路に続き、復路も1位を走り続ける完全優勝で総合2連覇を飾った。

 2位東洋大に7分11秒差をつける10時間53分25秒で、1977年(昭52)年の日体大以来39年ぶりに全10区間で1位を並べる快挙を遂げた。

 青学大の選手のフォームは他大学と比べて、姿勢が良く、腕の振りもなめらかだ。2年前から独自の体幹トレーニング「青トレ」を導入。かつては青学大も「腹筋、背筋、腕立て」と古典的で儀式のような陸トレだった。トレーニング面でも陸上界の常識を変えるため、14年秋からフィジカルトレーナーの中野ジェームス修一氏(44)を招いた。

 中野氏は単に教えるのではなく、能動的に考えさせることを重視。5、6人のグループに分け、骸骨の模型、筋肉図を前に2、3時間議論させた。

 「自分でメニューを出せば5秒で終わるが、選手に考えさせた方がやる気も出る」。今では選手たちの会話に「長腓骨(ひこつ)筋、ヒラメ筋(ともにふくらはぎの外側の筋肉)」と、専門的な筋肉の名称が飛び交う。体を漫然と動かさず、鍛える箇所、その意味を理解し、トレーニングは楽しくなり、その効果も増した。

 昨年からは加速力が増すフォーム作りに取り組む。頭と胴体を動かさず、肩甲骨を大きく動かす。腕は引くだけでなく、ひねりを加え、さらに可動域を伸ばした。体幹が安定したからこそ、取り組める課題。理想的なフォームに近づいた選手たちは箱根路で躍動。原監督は「うちの選手のフォームきれいでしょ。これも陸上界を変える1つのツール」と「青トレ」の効果を強調した。