<陸上:全日本実業団対抗>◇2日目◇22日◇福岡・博多の森陸上競技場

 男子5000メートルは、ロンドン五輪長距離2種目の代表だった佐藤悠基(25=日清食品グループ)が日本人トップの4位で13分38秒51。レース後には4年後のリオ五輪はマラソンで狙うことを明言した。

 そのレースで3000メートル手前までケニア人選手3人につけたのは鎧坂哲哉(22=旭化成)だった。3200メートルで佐藤らの集団に吸収され、13分48秒58の7位(日本人2位)でフィニッシュしたが、積極的なレースぶりは今後への期待を大きくした。

 鎧坂は昨年1万メートルで27分44秒30の学生日本人最高をマーク。箱根駅伝での快走が期待されたが、腰から下にしびれが出て負担の少ない10区に回った。それでも順位を1つ上げて明大の3位に貢献した。

 4月の旭化成入社後は故障を完治させることを優先。6月の日本選手権には出場したが、準備不足で20位に終わった。今大会が社会人2レースめ。夏場はクロスカントリーなどでしっかりと練習ができ、外国選手に挑む積極レースを展開できた。

 優勝したビタン・カロキ(22=エスビー食品)と、2位のチャールズ・ディランゴ(JFEスチール)はともに世羅高の後輩に当たる。「カロキはオリンピックでも活躍した選手(ケニア代表で出場して5位)。あそこがオリンピックのレベルだと思って、ついて行こうと思いました」

 学生記録を出した1万メートルではなく、「まずは5000メートルで日本新を出すことに集中したい」と話す根っからのスピードランナー。前日の1万メートルで日本人トップの宮脇千博(21=トヨタ自動車)らとともに、今後のトラック長距離種目を牽引する存在になるだろう。