08年の北京五輪陸上男子400メートルリレーで銅メダルを獲得した塚原直貴(26=富士通)が、世界選手権(8月、韓国・大邱)出場の危機に直面していることが分かった。日本陸連は26日、都内で日本選手権(6月10~12日、埼玉・熊谷)の出場選手などを発表した。今季不振をかこつ塚原は100メートルにエントリーしたが、指導する高野進強化委員長は「(状態は)よくない。治療に時間がかかっている。100%では走れない」と明言した。

 塚原は4月29日の織田記念の100メートルを胃腸炎で欠場。5月3日の静岡国際の200メートルには出場したが、予選落ちした。2月に痛めた右アキレス腱(けん)の影響もあり、8日のゴールデンGP川崎、22日の東日本実業団も欠場。世界選手権出場には日本選手権で参加標準記録を破り、上位に入ることが絶対条件だ。男子短距離界のエースが、がけっぷちに立たされた。【佐藤隆志】