<陸上:セイコー・ゴールデングランプリ川崎>◇6日◇等々力

 男子400メートル障害の岸本鷹幸(22=法大)が、2レース連続で五輪参加標準記録A(49秒50)を突破した。為末の日本記録47秒89を上回る47秒63の自己ベストを持つ、ダッチの猛追を楽々と抑え49秒31で優勝。先月29日の織田記念で出した48秒88に続き「世界標準」を証明した。

 この日が22歳の誕生日。「まだまだ足りないけど親孝行できた」と笑みを浮かべた。五輪は「テレビの中の未知の世界」と言う。そんな初々しさを残す孝行息子も、ハードラーとしての熟成度は大人の領域。ユーチューブで発見したという為末の走りを参考に今季、ハードル間の歩数を変えた。だが、強風と降雨の悪条件が重なり急きょ、4台目まで13歩、8台目まで14歩、10台目までは15歩と変更した。「とっさに判断できたのは成長したところ」と自任する。あとは6月の日本選手権で勝って、夢の夏を迎えるだけだ。