<陸上:東日本実業団選手権>◇初日◇19日◇埼玉・熊谷陸上競技場

 北京五輪の陸上男子400メートルリレーで銅メダルに輝いた、末続慎吾(31=ミズノ)のロンドン五輪出場は絶望的になった。末続が4年ぶりに本格復帰。初日は男子100メートルに出場し、予選を10秒84、準決勝を10秒83で突破。だが日本選手権参加標準記録(10秒45)を狙った決勝のレース途中に左内転筋を痛めた。60メートル付近で減速し、苦笑を浮かべてゴール。11秒77の8位に終わった。

 左足を引きずり、会見場に現れた末続は「4年ぶりの3本なので、体がびっくりしたんでしょう。悔しさはない。楽しかった」。置かれた立場とは裏腹に、晴れやかな表情で話した。北京五輪後、心身の疲労から長期休養。故郷熊本に拠点を移し「冬眠」に入った。昨年10月に熊本の記録会で100メートルを走り、競技に復帰すると、先月は米テキサス州の競技会に参加。五輪選考会の来月の日本選手権出場に向け、今回が本格復帰初戦ながらロンドンへのラストチャンスだった。

 今日20日の200メートル出場は厳しい。「朝起きて走れるかどうか判断する」と言うが、仮に出たとしても日本選手権の参加標準記録(21秒00)の突破は無理な状況だ。今後については明言しなかったが「僕自身、筋を通せたかな」。達観したように話した。【佐藤隆志】

 ◆末続慎吾(すえつぐ・しんご)1980年(昭55)6月2日生まれ、熊本市出身。西原中-九州学院高-東海大-ミズノ。00年シドニー、04年アテネ、08年北京と五輪3大会連続出場。03年世界選手権パリ大会の200メートルで銅メダル。北京五輪の400メートルリレーは2走で銅メダルに貢献。200メートルの20秒03は日本記録&アジア記録。178センチ、68キロ。