公務員ランナーに絶好の競技環境が整った。今秋アジア大会(9月19日開幕、仁川=韓国)陸上男子マラソン代表の川内優輝(27=埼玉県庁)が、4月1日付で県立春日部高定時制から県立久喜高定時制に異動することを29日、埼玉県教育委員会が発表した。

 川内は09年の入庁から5年間、県教育局主事の肩書で事務職員として春日部高に勤務。午前中の練習と週末にレース出場が可能な勤務体系で一躍、トップ級に上り詰めた。異動は今回が初めてだが、久喜高でも現在と同じ事務職。さらにランニングで通える久喜市内に自宅があり、練習に充てる時間も増えそう。人事異動に際し、関根郁夫教育長は「特別扱いはない」と話しているが、昨年の異動時期に川内は「異動希望なし」以外の「第1希望」として久喜高を挙げていた。願いが、かなう形となった。

 川内はこの日、今日30日の仁川国際ハーフマラソン出場のため韓国入りした。出発の羽田空港で「環境は変わらないようです。(16週連続出場の)レースも予定通り走れます」とホッとした様子。春日部高に勤務した期間と同等に「これからの5年間が勝負です」と気を引き締めた。