第58回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)は来年元日、前橋市の群馬県庁前を発着点にして7区間100キロで行われ、37チームが参加して駅伝日本一の座を競う。モスクワ世界陸上1万メートルで快走した宇賀地強(26)のコニカミノルタ、日本選手権1万メートル3連勝中の佐藤悠基(27)の日清食品グループ、そして“元祖・山の神”今井正人(29)のトヨタ自動車九州と、エース同士が激突する“3強”の争いが注目される。

 大エースの存在と厚い選手層、そして駅伝に向けての調整力。コニカミノルタに死角はない。東日本予選は2位に1分30秒差をつけ、「予定通りのレースができた」と、磯松大輔監督を喜ばせた。

 エースの宇賀地は8月のモスクワ世界陸上で日本人トップの15位。27分50秒79と自己記録に10秒と迫り、国際舞台でもしっかり力を出し切った。

 駅伝では“エースの走り”を続けている。豊富な練習量から得た自信で「駅伝は引いたらダメ」と攻撃的に飛ばす。区間順位はともに2位だったが、2年前の3区は4人抜き、前回の4区は3人抜きでトップに立った。チームは12年が2位で13年が優勝。08年を最後に優勝から遠ざかったコニカミノルタが、宇賀地の走りでよみがえった。

 選手層の厚さも00年代に6回優勝した盛時に戻りつつある。前回のニューイヤーは後半の5、6、7区で3連続区間賞。11月の東日本予選でも4区間で区間賞を取った。野口拓也(25)など個人種目ではそれほど実績がないが、東日本予選4区では富士通の柏原竜二を抑えて区間賞を取った。それだけピークを合わせる能力が高い。

 磯松監督は新人の菊地賢人と撹上宏光(ともに23)が東日本予選でメンバー入りできなかったことが不満だった。「若手がメンバー争いに加わらないとニューイヤーの優勝は厳しい」。他チームがうらやむ選手層がさらに厚くなれば、コニカミノルタに2度目の黄金時代が到来する。