世界選手権のやり投げで銅メダルを獲得したことで、村上幸史(29=スズキ)の投てきは、これまで以上に注目される。23日のスーパー陸上での観戦ポイントを聞いた。
-野球とやり投げでは、投げ方がどう違う
村上
野球はリリースポイントが前。やりは後ろ、頭の上なんです。ピッチャーはマウンドからキャッチャーへ、どちらかと言えば上から下。やりは下から上なんです。
-やりは回転しながら飛んでいく
村上
アメフトのボールを投げる感じです。難しい技術ではありません。初速を上げるために、スナップを使って投げます。
-外国勢より、やりの放つ角度が低いのはなぜ
村上
角度が低いのは、気象条件に対応しやすいからです。ライナーのように飛ぶやりは、風に左右されない。強い風の時は、ライナーで投げないといけません。
-風はどう読む
村上
日本の大会だと国旗で風を見ます。あの高さが、やりの飛ぶ高さなんです。下と上では、違う風が吹いている場合があります。理想の風は、若干の向かい風です。
-やり投げは(1)助走(2)クロス(助走のスピードを投げに移行するため、足を交差させてステップする)(3)投げの3局面だが
村上
一連の動作なので、つながっていないと意味がない。今までは上がった助走速度を、1回落として投げていた。最近は助走のスピードを殺さずに投げられています。
-体への負担は
村上
投げる時、左足で体をブロックし、一気に投げます。足に掛かる重さは800キロ。1試合を終えると、むち打ちみたいになって、背中が痛くなります。
-最後に
村上
実際に見てくれると、フィールドを飛んでいくスケールの大きさに面白みを感じてくれる人が多い。ですから、実際に見に来てもらいたいですね。【佐々木一郎】(おわり)