<高校総体:陸上競技>◇6日◇岩手・北上市

 小さな“スタミナガール”が表彰台に上った。陸上の女子7種競技で恵庭北(北海道)・山本千裕(3年)が、自己ベストの4652点をマークし2位に入った。6種目を終え7位だったが、得意の800メートルで全体1位の2分18秒51と奮闘し順位を上げた。「1つでも順位が上がればと思って走った。トータルベストも出たし、楽しめた」。表彰式でははじけるような笑顔を見せた。

 158センチ、45キロと小柄な山本は、多種目を平均的にこなす器用さが持ち味。もともとは100メートル障害や4種の選手で運動能力は高い。チームを率いる中村宏之監督(66=北海道ハイテクAC)は「800メートルは得意種目とはいえ、大舞台で力を出すことは大したもの」とたたえた。

 道予選後は、記録の悪かった幅跳びなど7種をひと通り確認した。800メートルの練習では、練習拠点である北海道ハイテクACの練習場に7月に完成した、通称「ロンドン坂」の坂道で持久力などを養った。山本は「十分強くなった気がするし自信が付いた。走り込んでおいてよかった」と笑顔を見せた。

 パワーの源は食欲だ。1日4食の時もあり好きな食べ物は、すしとギョーザ。岩手入りした時は体重が2キロほど落ちていたが、4日の夜に、ざるそば、うどん、ギョーザ、枝豆を食べて1キロほど戻った。タフな7種競技から休む間もなく今日7日、女子100メートル障害に出場する。「楽しく走って入賞したい」。喜びながらも、次の戦いに気持ちを引き締めた。【石井克】