<高校総体:陸上競技>◇7日◇岩手・北上市

 女子1600メートルリレーで浜松市立がゴール直前で逆転を許し、400メートルリレーに続き再び2位に終わった。先頭でバトンを受け取ったアンカーの建部カオリ(1年)が必死に逃げたが、あと1歩及ばず初優勝はならなかった。

 レースを終えた浜松市立の選手たちは、大粒の涙を流した。1走の杉浦はる香(1年)から快調に飛ばし、アンカーの建部まで1度もトップを譲らずにバトンをつないだ。建部も懸命に走った。ゴールまであと1歩と迫ったが、土壇場でかわされ、わずか0秒1差で敗れた。建部は「最後の最後で抜かれて本当に悔しいです」とうつむいた。

 泣きじゃくる選手たちを横目に杉井将彦監督(47)は「本当にあと1歩だったので少し残念だけど、全員が力を出し切れたと思う。42秒台の結果は大きな意味がある」とねぎらった。決勝前、チームは06年に浜松西が記録した3分45秒68の「県高校記録を更新してメダルを取る」と目標を掲げた。優勝こそ逃したが、4人全員が全力を出し切り3分42秒37でゴールした。言葉どおり3秒31も上回り、銀メダルを手にした。

 400メートルリレーに続き、優勝を逃した悔しさは確かに残った。それでも1、2年だけの若いチームは大舞台で堂々たる戦いぶりを見せ、目標も達成した。建部は「もっと練習すれば、来年は2冠を狙える」と力強く言った。名倉も「この悔しさがあるから、また頑張れる」と前を向いた。来年が楽しみだ。【前田和哉】