SP4位の本田真凜(15=大阪・関大中)がフリー128・59点で合計196・11点のシーズンベストを記録し、今季ジュニア勢最高の4位に食い込んだ。約2時間後には、2連覇を目指す世界ジュニア選手権(3月15日開幕、台北)への出場が発表され「ロシア勢にも勝つつもりで、これから戦いたい」と言い切った。

 初の表彰台へ、足りなかったのは2・06点。はにかむ真凜は「ちゃんとやっていたら、200点いっていたかな」と首をかしげた。序盤の3回転フリップが回転不足も、その後をノーミスでカバー。目標だった約2週間前のジュニアGPファイナルは、インフルエンザで棄権していた。今季は国内でもジュニア世代トップになれなかった悔しさを、大舞台での意地に変えた。

 苦しい時期も家に戻れば「晩ご飯は私が作る!」と宣言し、近所に食材集めに走った。3歳年上の兄太一は「真凜は…男みたいな性格。洗い物は僕の仕事」と笑い「何作ってもおいしい。特に煮物かな」と味に太鼓判を押す。貫く自然体は重圧を押しのける武器であり、演技の質を高める。

 18年平昌五輪へ、来季のシニア転向をあらためて希望すると「誰も予想しない時に結果を残せる選手になりたい」と笑った。未完成のヒロインが目指す場所は、まだ先だ。【松本航】