日本学生長距離界のエース竹沢健介(早大4年)が、箱根駅伝(来年1月2、3日)に間に合った。左アキレスけん上部に痛みがあり、一時は出場も危ぶまれていたが24日、埼玉・所沢のグラウンドで「走れるようになっています。大丈夫です」と自らにゴーサインを出した。

 11月2日の全日本大学駅伝は、左すねを疲労骨折しながら強行出場。その後、アキレスけん上部にも痛みが出た。思い切って練習を休み、徐々に回復した。渡辺監督から「痛くない走り方を覚えなさい」と言われ、工夫をこらした。「足を固める走りを覚えた。自分の中で、これならいけるという走り方です」。万全ではないが、スタートラインに立てるめどが立った。

 前回は、座骨神経痛に苦しみ、痛み止めの注射を打って、無理に走った。渡辺監督は「あの時は2~3割の状態で、今は7~8割。竹沢の場合、スタートラインに立ったら仕事をする。優勝するなら、残り9人(の走り次第)でしょうね」と信頼を寄せた。16年ぶりの総合優勝は、エースの復帰でグッと近づいた。

 どの区間を走るかは、29日の発表まで秘密。竹沢は「2区のつもりでやっていれば、どこでも走れる。2区?

 いくつもりではあります」と言うが、渡辺監督は「作戦上、今は言えない。僕の中で考えがあって、楽なところで走らせて上げたい。本来、早稲田のエースは、2区が基本。そこで終わらせたい気持ちもある」とかわす。出場可否の心配は終わり、ライバル校との駆け引きが始まった。【佐々木一郎】