ソフトボール日本代表の元エースで、00年シドニー五輪銀、04年アテネ五輪銅メダリストの高山樹里(32=豊田自動織機)が、ボブスレーで来年のバンクーバー五輪出場を目指す。16日、都内で会見し、ボブスレー女子2人乗りの日本代表候補に入ったことを発表した。80キロ台後半の体重とパワー、スプリント力を評価され、日本連盟にスカウトされた。ソフトボールは現役を続けるが、当面はボブスレーを優先する。明日18日から長野市で始まる代表候補合宿に参加し、年明けに決まる五輪代表を狙う。
マウンド上の丸々とした体形で人気を集めた高山が、雪上を滑走するボブスレー挑戦を宣言した。競技歴もなければルールも知らないど素人。だが気後れはない。「上体を低くし蹴り出す投球動作とボブスレーのスタートの動きが似ているので生かしたい。こういう体形の人たちに夢と希望を与えたい」と堂々と話した。
6月下旬にバンクーバー五輪へ向けて人材発掘に乗り出していた日本連盟から勧誘された。その時は困惑したが、すぐに新天地挑戦を決断した。ソフトボールでは昨年の北京五輪代表メンバーから漏れ、所属する豊田自動織機でも若手育成が優先されて今季は2試合の登板にとどまっていた。「もやもやしていた。アスリートとしてもう1度、世界と戦いたかった」と振り返った。
無謀な挑戦ではない。約180キロのソリを30メートルほど押して初速をつけるブレーカーと呼ばれる「押し役」は、重量とパワー、スプリント力の3要素が求められる。高山は80キロ台後半の体重、スクワットで145キロを挙げるパワー、50メートル走7秒台のスプリント力を誇る。日本連盟が探し続けていた逸材だった。適性能力を計測する7月4、5日のトライアウトでは、9人のブレーカー代表候補の中で、トップクラスの数値を連発した。「彼女の魅力はご覧の通りの体重です」と、日本連盟の山本強化委員長は言い切った。
高山はボブスレーを題材にした映画「クールランニング」で競技の勉強を始めたばかり。バンクーバー五輪本番コースは通常より20キロほど速く、世界最速の150キロにも達するが恐怖心はない。「ジェットコースターで練習しようかな」。幼少時に夢見た夏冬両五輪出場を追いかける。【高田文太】


