<フィギュアスケート:ジャパンオープン>◇3日◇さいたまスーパーアリーナ

 来年2月のバンクーバー五輪に向けて浅田真央(19=中京大)の「金メダルプログラム」がベールを脱いだ。日本、北米、欧州の男女各2人がフリーの得点の合計で争う今大会で、ラフマニノフ作曲の前奏曲「鐘」での演技を初公開。荘厳な調べが続く中、ジャンプが強調される新境地のプログラムだった。ジャンプで転倒するなど精彩を欠き、102・94点で女子の中で3位だったが、しっかりと課題を得て、今季の“予行演習”を終えた。日本は合計434・17点で最下位の3位に終わった。

 「鐘」の荘厳な調べが続く中、浅田は冒頭の3回転半で転倒した。続く2つ目の3回転半も、踏み切りに失敗して1回転半。さらに3回転サルコーが1回転となるなどミスが続いた。終始静かな曲調に観客はとまどったのか、最後まで手拍子は起こらなかった。

 102・94点で、女子1位のロシェット(カナダ)には23・45点の大差。それでも浅田は「ジャンプをパーフェクトに跳べば、いいプログラムだと思う」と、気落ちしてはいなかった。

 昨季フリーの「仮面舞踏会」のように観客が盛り上がるような場面はない。だが荘厳な曲調は、それだけ1つのジャンプへの注目度を高める。この日は失敗したが、ジャンプの種類や演技構成は昨季とほぼ同じで、不安要素は少ない。

 初戦はつまずいても「大きな舞台で一番いい演技をしたい」と、あくまで照準は来年2月。韓国メディアから「この構成は金妍児(韓国)を乗り越えるためか?」との質問が飛ぶと「昨季挑戦してきたことを生かすシーズンなので、そうは思っていない」とサラリ。世界女王の座を奪われた金とは約2週間後のフランス杯で激突。「鐘」とともに、いよいよ五輪シーズンのゴングが鳴る。【高田文太】