真央が封印を解きにかかる。フィギュアスケートのGPファイナルで4年ぶり3度目の優勝を飾った女子の浅田真央(22=中京大)が11日、帰国した。成田空港で観客から出迎えを受けた浅田は「ショートプログラムもフリーも確実にやり終えることができた。今後は細かいところやジャンプをレベルアップしたい」と言い、腰痛で封印していた「トリプルアクセル(3回転半)や3-3回転を練習していく」と宣言した。

 先月のNHK杯後に腰痛を発症し、大技は練習でも回避していた。痛み止めの薬をのんでいた今大会。だが、優勝の喜びがすべてをかき消してくれたのかもしれない。「腰はだいぶ良くなりました」と話し、練習も「(佐藤)先生と話してからですが、休まないで滑りたい」と意欲をみせた。

 同じとき、ドイツのNRW杯で金妍児(韓国)が200点を超える高得点で復帰戦を飾った。国際B級大会で公式記録で扱われないとはいえ“今季世界最高得点”で帰ってきた。そんなことも、14年ソチ五輪の会場でつかんだ好感触の前には気にならない。「会場で滑ってより一層、ソチ五輪に行きたいという思いが強くなりました。行って良かった」。プラスに動きだした歯車。真央の気流が、上昇し始めた。【今村健人】