助っ人右腕の調整法にヒントがあった。

第100回記念大会の夏の甲子園は、優勝の大阪桐蔭以上に、秋田・金足農のエース吉田輝星投手が注目を浴びた。中でも特にクローズアップされたのが「球数問題」。甲子園で881球、県大会まで含めれば1517球を投じたことに対し、賛否両論の声が飛び交った。

左手骨折でリハビリ中の巨人テイラー・ヤングマン投手も甲子園の熱狂ぶりを、ジャイアンツ球場のクラブハウスでテレビ越しに初めて感じた。「アメリカでいうリトルリーグのワールドシリーズみたいな盛り上がりだね。アメリカでも州の代表決定戦からすごい盛り上がりなんだ」。11歳から13歳までの野球少年、少女たちが世界一を争う大会に夏の甲子園を重ね合わせた。

そんなヤングマンは「球数問題」の話題を振られると「文化の違いがあるから一概には言えない」と前置きしつつ、自身の実体験を元に意見を述べた。

「僕は5歳から野球を始めたんだけど、その時からお父さんがチームのコーチに『球数を多く投げさせないでくれ』とお願いしてくれていたんだ。実際、16歳までは負担のかかるカーブは投げなかった。大学の時に121球を投げたのが最高で、100球を超えた試合は1、2試合くらい。そのおかげか、肘や肩で大きなケガをしたことはないよ」。

自身はリトルリーグではないリーグでプレーしていたが、年齢ごとに球数制限や休養日が決まっており、厳格なルールに守られていた。

ブルペンでの投球練習にもこだわりを持つ。「1度に50球以上投げることはあまりないね。15球を3セットに分けて休みながら投げたりする。量よりも質が大事。必ず克服したい課題や目的を明確にしてブルペンに入る。それができたらそこで終わり。その積み重ねだね」。実際、リハビリ中の現在も1、2日間隔でブルペンに入り、15から20球程度投げ込む。「キャッチボールの時間を長くするなら、実戦と同じ傾斜を使って投げた方が効率的だからね」と意図を話す。

それでも自身が経験してきた米国流の調整が全てとは考えていない。「正解はないし、僕も甲子園のような舞台で、マウンドに上がったらもっと投げたいと思うかもしれないね」と野球人として、日本の高校野球への理解もある。

7月25日のヤクルト戦で骨折した左手も順調に回復し、今季中の復帰も目指して調整を続けている。「今は違和感なくできている。1軍で投げたいという気持ちはあるけど、しっかり準備ができていないといけない。準備ができていないのに、1軍に上がろうという気持ちはない。1軍で活躍しているイメージを持って、しっかりと準備していきたい」。焦らず、自分を信じ、チームの救世主となる時を待つ。【巨人担当 桑原幹久】