中日勝野昌慶投手(24)が今季初登板の3月26日、巨人戦(東京ドーム)で、バットで見せた。1点ビハインドで迎えた5回2死一塁、巨人先発山崎伊の2球目139キロの直球を強振。野手もビックリの逆転1号2ランを東京ドームの左翼中段にぶち込んだ。勝野は6回2失点で勝ち投手の権利を持って降板。残念ながら降板後、チームは逆転負けを喫した。

「絶対打つぞという気持ちで打席に入りました」。プロ入り初アーチには、笑顔がもれた。練習中に「落ちていた」と話す石垣のバットから繰り出したアーチは、土岐商時代以来。忘れていた感覚だった。

今季は打席への手応えを感じていた。「英智コーチからマシンを打っているときにタイミングの取り方を教えてもらった。その感じを意識している」。春季キャンプから投球練習とともに打撃練習も並行してきた。1軍キャンプ直前に腰を痛め2軍キャンプスタートになったが山井、浅尾両2軍投手コーチが投げる球を打って腕を磨いてきた。

中日は昨季はリーグ屈指の投手陣を抱えながら、得点力不足に悩まされた。落合ヘッド兼投手コーチは、今春キャンプから投手陣に2つの必修科目を与えた。「(本職に)見てもらうのがいちばんいい。打ち方、構え方だったり。素晴らしい打撃コーチらがいる。走塁も走塁コーチが教えた方がいい」。1軍キャンプでは、中村紀打撃コーチや大西外野守備走塁コーチが、別メニューで投手陣への指導を続けていた。勝野は6日のヤクルト戦でも、4回に二塁にスライディングで二塁打。今季5打数2安打、打率4割だ。

立浪監督は「全試合、あきらめない。先に点を取って勝ちパターンに持って行くのが理想。1試合1試合全力でやりたい」と常々口にする。粘りの新生中日を9番目の野手もしっかり支えている。【中日担当=伊東大介】

2022年3月26日の巨人戦で、5回表中日2死一塁、2点本塁打を放ち、ポーズを決める勝野
2022年3月26日の巨人戦で、5回表中日2死一塁、2点本塁打を放ち、ポーズを決める勝野