7年ぶりの優勝を目指す札幌第一が6-5で函館大柏稜を下し、3年ぶりの初戦突破を果たした。昨秋の札幌地区代表決定戦以来、400日ぶりの公式戦登板となった右腕阿部拓貴投手(2年)が、自己最速タイの145キロをマーク。6回途中7安打4失点(自責点3)でしのぎ、勝利に貢献した。

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昨年9月、1-9で北海に敗れた試合以来、ちょうど400日ぶりの公式戦マウンドで、札幌第一の阿部が思い切りよくボールを投げ込んだ。電光掲示板には、半年前に非公式に測定した時と同じ、145キロが表示された。試合後、投球内容を問われると「もっと球速は出るはず。6回の(失点の)場面で粘りたかった」と、反省の言葉が口をついた。

悔しい日々を乗り越え、「中学時代に1度だけ投げたことがある」という札幌ドームのマウンドで復活した。今春に右肘の骨が神経を圧迫する肘部管(ちゅうぶかん)症候群を発症。当初は我慢できるほどの痛みだったが徐々に悪化。6月に手術に踏み切った。2カ月はボールも握れず、チューブでの強化トレーニングも出来なかった。1年春からベンチ入りし、次期エースと期待された男が、2年目の春と夏の公式戦を棒に振った。

9月中旬にようやくスローイングを開始。札幌地区予選後の練習投球を見て復活を確信した菊池雄人監督(51)が、今大会直前に最後のピースでベンチ登録を決断した。この日の先発は、開会式後、1度学校に戻り、再度札幌ドームに向かうバスに乗る直前に聞いた。手術後初の実戦で、5回までは無失点に抑え、ゲームを作った。「いつ先発を言われても大丈夫なよう、準備はできていました」と胸を張った。

直前登録のため、背番号は20。阿部は「来年夏には1番をつけたいし、157キロを出したい。でも今は背番号は関係なく、自分の仕事をします」と、次の知内戦に向けて、闘志をみなぎらせた。【中島洋尚】