西武ドラフト1位の大石達也投手(22=早大)が最大の武器とする直球に5日、首脳陣のメスが入った。58球を投げ込んだキャンプ3度目のブルペンを見守った小野投手コーチは「今は下半身が疲れているし、直球は本来の5、6割じゃないか」。連日の練習で下半身にたまった疲労から、本来のキレではないと指摘した。今後は、本人がキャンプのテーマに掲げた変化球の習得より、直球を磨くことを優先させるつもりだ。

 課題のスタミナ強化と変化球習得ができれば、1軍レベルには到達する。しかし、スケールの大きい投手になってほしいからこそ、小野コーチは「まず真っすぐを磨いて、ブルペンでもっと質のいい真っすぐを増やす。変化球はそれからでも」との方針を固めた。

 大石はこの日のブルペンで初めてカーブを9球投げた。「小野さんに遊び感覚でいいから投げてみろ、と言われて。良かったと思います」と納得の表情だった。渡辺久信監督(45)も「カーブが投げられる腕の振り方だし、もっと良くなっていくよ」と話し、カーブ習得のメドはついたともいえる。それだけに、まずどんな状態でも本来の直球を安定して投げられるようになれば、より進化できるはずだ。【亀山泰宏】

 [2011年2月6日9時20分

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