“瀬川サロン”開催で若手に夢実現の秘訣（ひけつ）を伝授する。プロ野球の日本ハム入りが決まった室蘭シャークス瀬川隼郎投手（２８）が２６日、室蘭市内で行われた激励壮行会に出席。「企業チームだったら、とっくにクビになっていた選手だと思う。ここまで使ってくれた関係者のみなさんのおかげ」と感極まりながら、１０年在籍したチーム関係者らに感謝を伝えた。

　この日に発表された日本野球連盟北海道地区連盟のベストナインでは、投手部門で２年連続選出。功績賞も受賞した。道内の社会人野球をけん引してきた左腕も、入社後、７年は芽が出なかった。「まったく使ってもらえず、どん底を味わった。走ること１つにしても、野球のことを考えるようになりました」。体の使い方をイチから見直し、課題だった制球難に真正面から向き合った。

　年内いっぱいで退職の予定で、思い出の詰まったチームを去る。「お酒を交えながら、若い選手と積極的に会話をして、今まで自分が経験してきたことを伝えていきたい。それで、少しでも、悩みが解決してくれたら」。チームがクラブ化され、室蘭シャークスとなってからは、初のプロ野球選手。貴重な置き土産を後輩たちへ残し、新天地へと向かう。【中島宙恵】