初出場の本多灯(19=アリーナつきみ野SC)が、1分53秒73で2位に入り銀メダルを獲得した。

銀メダルを確認すると、スタンドに向けて右手を突き上げてガッツポーズ。「思い通りのレースで銀メダル。うれしいです。前半は落ち着いていけた。後半は踏ん張るだけだった」。得意のラスト50メートルで爆発して2人を抜いて銀メダルだ。

入場から手を振ってマスク越しに笑顔を振りました。「緊張はありましたが、楽しむことが1番。入場から誰よりも楽しそうに、と思った。やり通しました」。

同種目は04年アテネ五輪から日本勢は4大会連続でメダルを獲得していた。本多は「途切れさせないことを考えていた。よかったです」と日本の伝統を守って、うれしそうに言った。

本多は4月の日本選手権で初優勝して代表権を獲得。今月4日には自己ベストの1分54秒23を出して、五輪本番に向けて、調子を上げてきていた。準決勝はぎりぎりの8位通過で「本当にメダルをとりたいという気持ちにシフトすれば、かなうと思う。1分52秒台を目指していきたい」と大きな目標を掲げていた。

昨秋に飛躍のきっかけがあった。突然、五輪2大会連続2冠の北島康介氏から電話がかかってきた。競泳国際リーグ(ISL)の「東京フロッグキングス」への誘いだった。18年世界ジュニア銀メダルを獲得していたが、フル代表の経験はなかった。「北島さんから電話をもらった時点で驚いた」。当初は瀬戸大也がメンバーだったが、女性問題で年内活動停止となって、代役として白羽の矢が立った。

ブダペスト出発まで1週間を切っていたが、思い切って参加した。入江、萩野、大橋、さらにドレッセルら海外スターが参加したISL。「日本のトップレベルと自分の差、世界と自分の差、それを知ることができた」と振り返る。

「周りを明るく照らす存在になってほしい」という願いから「灯(ともる)」と名付けられた。「名前通り、明るく日本中を沸かせたいなと思います」と意気込んで五輪に臨んでいた。