[ 2014年2月23日18時45分 ]エキシビションの舞台で、華麗な演技を披露した羽生(撮影・井上学)<ソチ五輪:フィギュアスケート>◇22日◇エキシビション

 フィギュアスケート男子の羽生結弦(19=ANA)が、金メダリストにふさわしい表現力で会場をうならせた。

 「白鳥の湖」をアレンジした重厚な曲に表現力あふれるしなやかな動きを刻んだ。「すごく緊張したけど、スケートを滑ることができる喜びを感じて滑った。苦しみの中から立ち上がるイメージで、いつもこの曲を滑っている。ソチ五輪で自分なりに4年間の集大成を出そうと思っていた。そのなかに震災があって、苦しみから立ち上がろうという兆しを自分の姿に重ねてもらえればと思って滑った」と演技に情感を込めた。

 4年後の韓国・平昌冬季五輪は、ディフェンディング王者としての戦いになる。今大会のSPでは100点超でライバルたちの度肝を抜いたが、フリー演技では、ジャンプの失敗もあり、満足する様子はない。

 羽生は「(ソチは)ベストな演技はできなかったけど、全力を尽くせた。その全力がもっと、いいものになるよう努力したい。(金メダルは)将来を明るくしてくれるものだと思っている」と、さらなる高みを目指す。