[ 2014年2月20日8時26分

 紙面から ]

 ソチ五輪フィギュアスケート日本代表の羽生結弦(19)浅田真央(23)らが今季使用する17曲を収録したネット配信限定アルバム「フィギュア・スケート2014」(ユニバーサル、900円)が、好調にダウンロード数を伸ばしている。アップル社の音楽プレーヤーソフト「iTunes(アイチューンズ)」のアルバムランキングで、最高5位まで上昇。金メダルを獲得した羽生のショートプログラム(SP)使用曲「パリの散歩道」(ゲイリー・ムーア)が、ダウンロード数を一気に押し上げている。

 ユヅ君の金メダル効果だった。19日夜までに、「フィギュア・スケート2014」はアルバムランキング10位(ランキングは毎日数回更新)。ゆず、加藤ミリヤ、BIGBANGら国内外の有名アーティストの作品に肩を並べている。

 今月12日に配信開始。15日未明に、羽生が日本人初となるフィギュア男子の金メダルを獲得し、SPとフリーで使用した2曲が収録された同アルバムのダウンロード数が急増。一時はランキング5位まで上がった。クラシック曲主体のアルバムが総合10位以内に入ることは珍しいという。

 レコード会社の見方では、全17曲をまとめたダウンロードが2000件以上。1曲だけのダウンロードも含めれば、1万人以上が購入しているという。

 ユニバーサル宣伝担当は「女子で浅田さんがメダルを獲得して、エキシビションでも使用曲が流れれば、アルバムの注目度はさらに上がるはず」と期待した。

 同社は昨年12月、「スケーティング・ミュージック2013-14」という2枚組CD(2500円)を発売。浅田やライバルの金妍児、高橋大輔、安藤美姫ら有力選手の使用曲35曲を収めた。しかし、羽生のSP使用曲で、英国人ロックギタリストのムーアの代表曲「パリの散歩道」が未収録だった。同曲の人気が高まるのを受け、ネット配信をソチ五輪の本番に間に合わせ、今回の配信限定アルバムの発売につなげた。

 フィギュア日本勢は、06年トリノ五輪で荒川静香が金メダル、10年バンクーバー五輪では浅田が銀メダル、高橋が銅メダルを獲得。メダルに絡んだクラシック曲は、ヒットしてきた前例がある。同社の宣伝担当は「メダルを獲得することは、使用曲の売り上げに大きく貢献する。日本人の女子3選手に頑張ってほしい」と、21日未明のフリー演技を見据えた。【柴田寛人】

 ◆iTunes(アイチューンズ)

 米アップル社が開発した音楽プレーヤーソフト。01年から配布開始。同社のパソコンやモバイル機器専用だったが、03年からウィンドウズ版を配布。音楽配信サービス「iTunes

 Store」や携帯音楽プレーヤーの「iPod」シリーズと連携。