新日本プロレス「WORLD TAG LEAGUE 2024」仙台大会(11月27日・夢メッセみやぎ)に足を運んだ。1歩会場に入ると、ファンの静かなる熱気。中央のリングを見て、これから繰り広げられるドラマに期待が膨らんだ。隣を見ると、同じようそわそわする少年がいた。

KOKESHIと書かれたカラフルな衣装で登場した本間
KOKESHIと書かれたカラフルな衣装で登場した本間

リング上では本間朋晃(48)と海野翔太(27)のタッグがゼイン・田口組と死闘を繰り広げていた。息の合ったアトミックドロップで田口を空中で苦しめ、本間の得意技こけしロケットも発射し会場を沸かせた。

大会PRの取材時、海野が言った。

田口(中央)に技をかける本間(左)と海野(右)
田口(中央)に技をかける本間(左)と海野(右)

「死ぬか生きるかって言われていた人間が復活して、リングに立っている生きざまっていうものを見てほしい」

本間は17年の試合中、中心性頸髄(けいずい)を損傷。一時は四肢まひ状態になりながらもリハビリに励み、再びリングに戻ってきた。自らの口で苦労を語ることはなかったが、その姿勢に感化された海野が熱く訴えていた。身体と身体のぶつかり合い。リングに沈むも、うめき声を上げカウント2・99からはい上がる。汗を光らせリングを後にする姿。随所から「生きざま」が感じられた。

雄叫びをあげ相手を威嚇する本間(撮影・高橋香奈)
雄叫びをあげ相手を威嚇する本間(撮影・高橋香奈)

勇姿は少年にも伝わった。手製のうちわ持参で声援を送る綱川悠太郎さん(11)は「格好いい」と目を輝かせていた。後日、悠太郎さんの父親から聞いた。息子はプロレスは好きだけど引っ込み思案で出無精、半ば強引に連れてきたんです。帰り道は話が止まらず、家でも試合の写真をうれしそうに眺めています-。

闘う息づかいまで聞こえる体験は、少年にとって忘れられない時間になった。これからの日々に彩りを与えていくのだろう。実は、私も人生初観戦。プロレスには痛々しいイメージがあったのだが、すっかりと引き込まれた。活力を与えてくれた出会いに感謝したい。【高橋香奈】(ニッカンスポーツ・コム/スポーツコラム「We Love Sports」)