女子70キロ級の新井千鶴(23=三井住友海上)が初優勝した。準決勝でリオデジャネイロ五輪銀メダルのジュリ・アルベアル(コロンビア)、決勝はマリア・ペレス(プエルトリコ)を破った。

 172センチの恵まれた体格を生かし、新井が女王の座に就いた。5試合を勝ち抜き「世界チャンピオンは夢だった。優勝できてよかった」と喜んだ。ポルテラ(ブラジル)との準々決勝は延長から4分40秒に及んだが、指導の差で競り勝った。準決勝ではリオ五輪銀メダリストのアルベアルに優勢勝ち。決勝は送り襟絞めで勝負を決めた。

 初出場だった15年大会は屈辱を味わった。5位は日本女子で唯一のメダルなし。負の連鎖は続いた。翌年のリオ五輪も代表落ち。ライバルである同級の田知本遥が頂点に立った姿を現地で見た。「金メダルは遠くない」と自らを奮い立たせた。

 日本女子の増地監督から「練習からひときわ目立っている」と称される大器が実力を証明した。「2020年(東京五輪)に向けた第1歩。金メダルを取れて、いい形でつながった」と力を込めた。

 ◆新井千鶴(あらい・ちづる)1993年(平5)11月1日生まれ、埼玉県出身。15年世界選手権5位。17年は2月のグランドスラム・パリ大会とグランプリ大会(ドイツ)制覇。全日本選抜体重別選手権初優勝。世界ランキング2位。得意は内股。埼玉・児玉高-三井住友海上。172センチ。