小林陵侑(22=土屋ホーム)が、世界一のジャンパーになった。ワールドカップ(W杯)5試合を残し、日本男子では初めての総合優勝が確定した。今季23戦で11勝、表彰台16度とライバルを圧倒してきた日本のエースが、世界最強の選手まで上り詰めた。

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ジャンプの本場が欧州ということが日本勢には不利、という人がいます。W杯の遠征は距離も、期間も長いし、言葉が違う、食べるものも違う。遠征中に調子が落ちても、リカバリーする機会がない…、とか。でもね、それは言い訳だったんです。だって、小林陵はやってのけたじゃないですか。今までだれもできなかったことを。自分も含めて、できなかった過去の人とは違う。彼は、だれとも比べられないことを成し遂げました。

報道も含めて彼のいろいろなコメントを目にしてきました。「まだオリンピック(五輪)のメダルを取っていない」という言葉もありましたが、実は、彼はそんなこと思っていないと思う。純粋に、ただ目の前にあるジャンプ台に日々、向き合っているだけですよ。その積み重ねでしかない。だから「次の五輪まで力を継続できるか」なんていう分析も無意味です。常識なんて簡単に覆す。覆した、か。それが小林陵です。(原田雅彦・98年長野五輪金メダリスト、雪印メグミルク監督)