フィギュアスケート男子の羽生結弦(25=ANA)が22日、午後の公式練習で大技を解禁した。

白いジャージーを身にまとったまま、4回転のトーループ、サルコー、ループなど続けざまに着氷した。会場入りが始まり、スタンドを埋め始めていたファンから歓声が上がった。

その後は、滑走距離を長くとって1回転ルッツを2度確認。ジャンプの高さを確かめるように着氷すると「うんうん」とうなずいた。そしてしっかりとスピードを出して、4回転ルッツをクリーンに着氷した。

4回転ルッツは現在、最高難度のジャンプ。日本では羽生とジュニアの佐藤駿だけが装備している。羽生は今月上旬のGPファイナルで2年ぶりに解禁した。今大会は演技に組み込まない考えを示しており、この日発表されたフリーの演技予定表にも入っていない。あくまで練習という位置付けの可能性が高いが、状態の良さを感じさせた。

フリー「Origin」の曲かけ練習では、冒頭の4回転ループで着氷が乱れかけたが、右足でグッと耐えた。続く4回転サルコーはクリーンに成功。4回転トーループからの3連続ジャンプでは最初に右手をついた。曲かけの最後に同じコンビネーションを試して、すぐに修正した。

20日のSPは110・72点で首位発進。国際スケート連盟(ISU)未公認ながら“世界歴代最高”をマークしている。羽生は最終滑走(午後9時3分)で、4年ぶりの全日本で5度目の優勝を目指している。