「ミスター・ナイナーズ」の手腕がB2優勝とB1昇格に導く。バスケットボールB2の仙台89ERSは21日、仙台市内で20-21シーズンの新体制を発表した。元選手で18年からゼネラルマネジャー(GM)を務めていた志村雄彦氏(37)が社長に就任。渡辺太郎社長(40)は副会長、GMは桶谷大ヘッドコーチ(HC、42)が兼務する。6月下旬に開かれる臨時株主総会で正式に決定し、7月1日から新体制に移る。

志村氏は仙台市出身。慶大卒業後は東芝でプレー後、08年に仙台へ入団した。160センチの「小さな巨人」として、闘志あふれるプレーでチームをけん引した。「震災当時を唯一知るメンバーの私が、仙台89ERSの先頭に立って、歴史を背負って新たな未来を作る覚悟を決めた。89ERSに関わる人が一丸となって難局を乗り越え、仙台に喜ばしいニュースを届けたい」と意気込んだ。

今季は新型コロナウイルスの影響でリーグ戦が途中で打ち切りとなり、B1昇格を逃した。それでもB2で2年連続の集客数1位を記録し、中止以降はオンラインを活用したイベントを積極的に行った結果、3季ぶりの黒字化が見込まれている。契約合意した選手たちは25日から同市内で調整を開始予定。10月開幕の新シーズンに照準を合わせ、始動する。【相沢孔志】