フィギュアスケート男子で世界選手権を3度制したパトリック・チャンさん(29=カナダ)が結婚した。お相手は元ペア選手で06年4大陸選手権銅メダリストのエリザベス・パットナムさん(35=カナダ)。海外の専門誌の公式ツイッターが報じ、チャンさんも自身のアカウントで「祝福ありがとう」と返信した。

チャンさんは傑出したスケーティングスキルで00年代から存在感を発揮していった。スケート靴に付いているブレード(刃)、その先端にあるエッジを世界一深く倒すテクニックの持ち主だった。エッジは数ミリの厚みがあり、実際は板。トップ選手はその角度を倒して線に近づけることで氷との摩擦を減らし、スピード感が増し、音は静かになる。その最高峰として、チャンさんの一蹴りで伸びる滑りは多くの選手が理想型とした。オリンピック(五輪)2連覇の羽生結弦(25)も、シニアデビュー年となった10年のロシア杯でその音に聞きほれ、「どうすればああなれるんだろう」と向上の道を探った。

地元開催だった10年バンクーバー五輪を5位で終えた後、世界王者として君臨した。11年から世界選手権を3連覇。ソチ五輪を控えた13-14年シーズンでは、羽生とグランプリシリーズからハイレベルな勝負を繰り広げた。14年2月の2度目の五輪では銀メダル。その後も国際大会の最前線で戦い続け、18年平昌五輪では団体戦で金メダル、個人は9位となった。同年4月に現役引退を発表していた。