4大大会のシングルスで、史上初めて日本選手同士の決勝対決が実現した。世界10位の大谷桃子(25=かんぽ生命)が、同1位で3連覇を狙ったディーデ・デフロート(オランダ)に7-5、6-4のストレート勝ち。全仏初出場で決勝に進む快挙を達成した。同2位の上地結衣(26=三井住友銀行)も勝ち、決勝で日本女子同士の対戦が実現した。

大谷は、9月の全米で4大大会初出場。その時は、1回戦で上地に敗れた。しかし、同大会で優勝した大坂なおみ(26)の決勝を生観戦。第1セットを失ってからの逆転勝ちに「自分に足りない自分を信じてプレーすることを習った」。また、車いすテニスでは、上地や男子の国枝が決勝に進み、「今大会は絶対に私も残る」と誓っての金星で決勝進出だ。

大谷は、栃木・作新学院高3年の時に、一般のテニスで高校総体の個人ダブルスに出場した。卒業後、右足にまひが起こり、車いすの生活を余儀なくされた。16年に西九州大(佐賀)に進学。そこで車いすテニスと出会い、競技開始わずか4年で4大大会への決勝に進んだ。

日本女子を引っ張り、世界女王にもなった決勝で対戦する上地も「日本人同士で決勝を戦える日が来るなんて」と感慨深い。特に、上地が6連敗中のデフロートに勝ったのには「すごいなと思った。見習いたい」。しかし、世界ツアーでは大谷に5勝0敗と負けなしで、第一人者の意地もある。全豪に次ぐ、今季2度目の4大大会優勝を狙っている。

 

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