昨年のワールドゲームズ(WG)日本代表の前田マヒナ(22)が決勝で9・47点を出して優勝し、東京オリンピック(五輪)最終予選に当たる来年5月のWG出場権を獲得した。

既に出場権を得ている松田詩野(18)は決勝で6・60点で4位となり、連覇はならなかった。前田や松田と共にWG代表だった脇田紗良(18)は敗者復活戦で敗退した。

前田は決勝1本目で5・67点をマーク。落ち着いて競技に臨むことができたと振り返り「バックアップ(2番目に高い得点)が出なかったけど、優勝したからすごいうれしい」。1回戦からトップ通過した勢いそのままに、国内トップサーファーが集うジャパンオープンで優勝を飾った。

ハワイにいた前田が来日したのは10月上旬。新型コロナウイルスの影響で2週間の隔離期間後、ジャパンオープンに向けて千葉で調整してきた。優勝の喜びをかみしめ「ハワイにもサポーターがいるし、日本のサポートも強くて」と周囲への感謝を惜しまなかった。

出場権を獲得した来年5月のWGについて、前田は「オリンピックの日本代表になりたい」。ハワイ生まれの22歳が来夏へ向け大きな1歩を踏み出した。【平山連】

◆前田(まえだ)マヒナ 1998年(平10)2月15日、日本人の両親のもとハワイ・オアフ島で生まれる。5歳からサーフィンを始め、6歳から大会に出場。13年に全米、世界ジュニア選手権で優勝し、翌14年にはWSLのQTランクで18位に入った。好きな食べ物は、卵かけご飯とメロンパンと不二家のバウムクーヘン。嫌いな食べ物は、セロリとお茶。趣味は山登りと滝で泳ぐこと。家族は両親と姉。162センチ、58キロ。

◆サーフィンの東京五輪への道 東京五輪代表枠は男女最大2枠。最終予選に当たる来年5月にエルサルバドルで行われるWGで決まる。男子上位5人、女子上位7人が東京五輪出場権を獲得する。五十嵐カノアはWGに出場すれば五輪代表に内定する。条件付き内定を得ている松田、村上は成績次第で代表内定となる。