花園に出場する東北勢の代表校が、12月27日に開幕する「第100回全国高校ラグビー大会」に向けて弾みをつけた。宮城・石巻市内で20日から4日間の強化練習を実施。最終日の23日は青森山田、盛岡工(岩手)、学法福島、国学院栃木の4校が参加。約3時間の実戦形式で汗を流し、本番への手応えと課題を手にした。

4日連続で強化試合に参加した盛岡工は、花園でもシード校の力を持つ国学院栃木の胸を借りた。練習で培ってきたディフェンス力、ハイテンポなアタック力を試すには持ってこいの相手だった。前半は相手の素早いパス回しにタックルが通用せず、序盤から大量失点。それでもSH兼平歩雅主将(3年)は「全国レベルを知れた。後半からは、目が慣れてきて、良い展開もあった」と、大敗の中でも収穫を見いだした。

100回大会で古豪復活を期す。盛岡工は第50回大会など全国優勝2回を誇るが、今大会は12年ぶり35度目の復活出場。兼平主将は「記念大会で出場できたことは、何かの縁を感じる。16強超えを目標に、年越しを狙う」と言葉に力を込めた。東北勢の全国制覇は、1987年(昭62)の秋田工を最後に遠ざかる。のべ17度の優勝旗を手にした東北勢の復権へ、代表校が集ってスクラムを組み、刺激し合った。

2年連続2度目の出場となる青森山田は、昨年度を上回る1大会2勝に挑む。この日は、花園でプレーするイメージを膨らませながら、実戦に臨んだ。フッカー桜庭凜主将(3年)は「アタックは通用したけど、基本的なミスも目立った。精度を上げていかないと、前回大会の結果は超えられない」と手応えと課題を口にした。

最終日のみ参加した学法福島は、攻守の改善を目標に取り組んだ。SH渡辺辰徳主将(3年)は「展開ラグビーの向上を目指しているが、発揮できなかった。花園までにしっかり磨いていきたい」と前を向いた。試合後は、青森山田の桜庭主将と固い握手。健闘をたたえ合った。東北勢がワンチームとなり、全国で躍動する。【佐藤究】