7年ぶり21度目の春高切符をつかんだ高田は、全国上位進出を目標に掲げる。県大会は全5試合すべてストレート勝ち。準決勝では7連覇を狙った絶対女王・盛岡誠桜を撃破した。決勝でもボールを拾ってつなぐ高田伝統の「粘り強いバレー」を演じた。佐藤那津美主将(3年)は「コロナで何もできない期間もあった。選手各自がレベルアップに励み、チーム全員で気持ちを1つにして戦えた」と目にうれし涙を浮かべた。

被災地の思いを背負い、地域に勇気を届ける。11年の東日本大震災から来年で10年。佐藤主将は「高田は地域の方々からも、応援してもらっている。自分たちの力になっているので、結果で応えたい」と言葉に力を込めた。

佐藤主将は将来、看護師になるのが夢だ。震災当時は陸前高田市内の小学校に通う2年生。「今でも記憶に残っています。避難所生活も送りました。そこで、自分のためだけに働くのではなく、純粋に誰かのために働く姿に憧れを持った」と春高で完全燃焼し、卒業後は新たな門出に向かう。【佐藤究】