大坂が18年全米決勝の再現だ!

18日の準決勝(日本時間正午以降)で、2年ぶりの優勝を狙う大坂なおみ(23=日清食品)が、4大大会歴代最多24度目の優勝を狙う同11位のセリーナ・ウィリアムズ(米国)と激突する。4大大会では、主審の判定で大もめとなり、大坂が4大大会初優勝を飾った18年全米決勝以来の因縁の対決。対戦成績は大坂の2勝1敗だ。車いすテニス女子シングルス決勝で上地結衣(26)は2連覇を逃した。

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現在の女子テニス界で、最高の顔合わせが実現する。世代交代で、自らの時代を作りつつある大坂が、“生きる伝説”とも呼ばれるセリーナと、18年全米決勝以来、再び4大大会でラケットを交える。大坂は準々決勝後、「あのセリーナよ。ネットの向こうにいる威圧感は半端じゃない」と、タフな相手への思いを吐露した。

すでに3戦して、対戦成績では勝ち越している。しかし、いまだに、セリーナへの憧れ、そして尊敬の念は薄れていない。「セリーナがいなければテニスはしていなかった」と公言するほど、特別な選手だ。

そのセリーナとの4大大会初対戦が18年全米決勝だった。美しい思い出になるはずが、セリーナと主審がもめにもめ、観客は大ブーイングの嵐。史上に残る後味の悪い決勝となり、優勝スピーチでは「ごめんなさい。勝っちゃって」と涙を見せた。

複雑な感情が入り交じる。しかし、対戦となれば、話は別。「気にはしていない」と言うが、4大大会で準々決勝に進出した場合は、負けなしですべて優勝。また、昨年の8月の全米前哨戦から19連勝中。2度の試合前棄権を含むが、試合をすれば負けなし状態だ。

「心身ともタフな勝負となる」。セリーナは王道の打ち合いに挑むタイプだ。攻守の歯車がしっかりかみ合った現状では、正攻法で臨める安心感がある。この対戦が事実上の決勝戦。大坂が、セリーナの時代に引導を渡して女王に君臨する。【吉松忠弘】

◆全豪オープンテニスは、2月8~21日、WOWOWライブで連日生中継。WOWOWオンデマンドでも同時配信予定。