面倒なときもあるが、しなきゃいけない-。日本男子のエースで世界49位の錦織圭(31=日清食品)が、30日に開幕するテニスの4大大会、全仏オープン(パリ)を前に28日、会見を開き、大坂なおみ(23)の会見拒否に私見を述べた。

錦織は「彼女の真意がどこにあるか分からない」と前置きし、「なおみは、いろんな活動をしていて、嫌な質問を僕よりされることは断然に多いと思う」と、一定の理解を示した。ただ、「大会で賞金をもらい、いろんな人が大会をつくってくれる。それを考えると、しなきゃいけないこと」と続けた。

今大会13度の優勝を誇るナダル(スペイン)も「メディアがニュースや結果を書いてくれないなら、おそらく今のような(立場の)選手になれない。世界的な認知度も得られないし、あれほどの人気者にもなれない」と、会見の重要性を説いた。世界王者のジョコビッチ(セルビア)も「会見はわれわれのスポーツのひとつ」と話した。

大会を主催するフランステニス連盟のモレトン会長は「絶対的な誤り。個人的には受け入れることはできない」と、痛烈に批判した。「規則にのっとり、罰金や罰則を守るべき」と、最大2万ドル(約220万円)の罰金を含む何かしらのペナルティーを科すつもりだ。

元世界女王のV・ウィリアムズ(米国)は、大坂のSNSに「好きなようにすればいい。あなたの人生なのだから」とコメント。以前、会見で傷つき退席した経験を持つだけに、大坂の意見を後押しした形だ。

◆大会はWOWOWで全日生放送、同時配信される。