昨季の世界選手権で10位と躍進した三浦璃来(19)木原龍一(29)組(木下グループ)が流血転倒を乗り越えて、さらなる高みへ昇った。

2人にとって初のGPシリーズ表彰台となる2位。フリー135・57点、合計208・20点、前日のショートプログラム(SP)72・63点も合わせて全て自己ベストを更新し、銀メダルをつかんだ。

日本勢としては10年ぶりの快挙。11年のNHK杯で高橋成美、マービン・トラン(カナダ)組が2位となって以来で、日本人同士としては初の偉業を成し遂げた。

メダリスト会見では、海外メディアからも質問が集中。右膝から出血した理由を米記者から聞かれ、三浦が「スローの3回転ルッツで転倒した時のけがです」と説明。「チームの強みは?」と質問されると、三浦が「2人で話し合ったんですけど、スケートを誰よりも楽しく滑ることが私たちの長所なんじゃないかな」と笑顔で答えた。

9月のオータムクラシックを取材したという記者には「当時、GPシリーズの表彰台と205点以上が目標と言っていた。次の目標は?」と尋ねられると、乾燥で声がかれた木原に代わって三浦が「次もメダルを取りたいのと点数は210点。ステップバイステップでいきたい」とした。

日本メディアから「この姿を日本の選手たちも見ていると思う。メッセージを」と求められた木原は「声が出づらんいですが、僕は20歳を超えてからペアに転向した。もともとセンスがない中で支えられて頑張ってきた。センスのない僕でもここまで来られたので、木原ができたんだから大丈夫と思ってトライしてほしい」と語った。

女子の坂本花織が試合前に「北京オリンピック(五輪)でのメダルも夢じゃない」と話したことには、木原が「日本には素晴らしいシングル、アイスダンスの選手がいる。僕たちが頑張ることによって可能性は。チームジャパン一丸となって目指すべき」と意欲を見せ、気は早いがGPファイナルへの思いを聞かれると「もちろん目指したい場所ですけど、今日の結果というより、常に過去の自分たちに勝ち続けていけば、たどり着けるんじゃないか。そのために1つ1つ課題をつぶしていく」と謙虚に、でも大きく日本勢ペアの夢を膨らませた。【木下淳】

◆木原龍一(きはら・りゅういち)1992年(平4)8月22日生まれ。中京大中京高-中京大。ソチ、平昌五輪代表。174センチ。

◆三浦璃来(みうら・りく)2001年(平13)12月17日生まれ。大阪・向陽台高-中京大。145センチ